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第21回 ゴルフ級ハッチバックではこれでキマリ Alfa Romeo147 TS MT左ハンドル


【森 慶太】
1966年静岡県生まれ。
筑波大卒。
自動車雑誌編集部を経て96年からフリーランスに。
著書に、「乗れるクルマ、乗ってはいけないクルマ」(三笠書房) 「『中古車選び』これだけは知っておけ!」(三笠書房) 「買って得するクルマ損するクルマ―新車購入全371台徹底ガイド」 (講談社)他多数。最近、子供も生まれ、家も建て、ますます精力的に世界中を飛び回っている。


 22歳で免許を取り、自動車雑誌『NAVI』に入社したときにはバリバリの若葉マーク。
廃車寸前の86レビンで夜毎筑波パープルラインに通い、みるみる運転の腕前を上げていった若き日の森慶太は、それから10余年、今や気鋭の自動車ジャーナリスト。
明快な論点、みずみずしい視点、の森慶太が駆る。イタリア車ははたしてどうなのか。


まず最初に3つのオドロキ。

 カレンダーのメモを見直すまでもなく書けるんだけど、さる4月30日から5月9日まで10日間にわたって私はアルファ147TSの左ハンドルのMTというクルマを借りていた。たしか800kmぐらい乗ったような気がする。前回そのことを書こうとして話がヘンなほうへいっちゃったので、今回あらためて。ちなみに、もんのすごくヨカッタよっていう話です。

 改めてオドロキその1として、最新の147はエラいこと作りがイイ。出た当初に乗ったときも驚いたけど、そっからさらによくなっている気がする。車体のまあ、ガッチリしてること。内装の樹脂部品のグレード感とか組み付け精度の高さもふくめて、とにかく高級感バリバリ。ボロっちさも愛嬌のうち、なんてのは遠い昔の話になっちゃった。

 冗談抜き、これはワーゲン(ゴルフ2)に匹敵するか場合によってはそれを上回るレベルにあると思う。もちろん、プジョー(307)なんかはモノの数ではない。すごいね。

 改めてオドロキその2。147、またエラいこと静かでよろしい。車体のガッチリ感ないし重厚感が強烈であることもあって、たとえばアイドリング時の静粛性なんてヘタな国産高級車顔負けですよ。エンジンかかってないかと思った。しかも、さすがアルファというべきかその静かさがエンジンを上まで回してもキープされる。静かさというか、うるさくならない。ちょっと加速したとたんに興ざめな音がビャービャー出まくるトヨタあたりの安い4気筒とは、やっぱりモノが違う。

 改めてオドロキその3。乗り心地がこれまたエラいことソフトというか滑らかで素晴らしい。ついてたタイヤがたしかSX-GT(ミシュラン)かスポーツコンタクト(コンチ)で、いずれにせよシャシーを甘やかすようなタイプじゃ全然ないはずなんだけどそれを平然と、まるで高級車みたいに履きこなしている。さすがに路面の凹凸によっては強めの突き上げが入るけど、それも別に痛くない。


裸体を鳥の羽根で愛撫するがごとく、ね

  クルマの動きは、これまた普通に走ってるかぎり簡単にいって高級車風。後ろに乗ったウチのツマは、「なんかフワフワしてるわねえ」なんていいやがった。ごく低い速度でウネウネの強い道を走ると、ときとして「ちょっと酔いそうねえこれ」(ツマ談)な揺れが出る。でも、そこはそれバネとかユルユルじゃないから。さすがに。あとダンパーも、どうやらフリクション少なくキレイに動いてるし。
 その高級車風の身のこなしが、イザ高速域に入ると一変……しないのがまたよろしい。ラクシュアリィな感じのまま、ハイウェイだろうと峠だろうとトバして全然コワくない。その意味では、ビーエム5シリーズあたりに一脈通じるものがあるといえるかもしれない。

 皆さん気になる左+MT関係のブブンなんだけど、やっぱ最高です。ブレーキの踏み 応えはフヌケてないし(運転好きにとって、アルファの右はここがツラい)、ギアレバーの動きはこれまた高級車風(高級車にMTがあるかという問題はさておき)でカルく、かつきわめて滑らか。ガッついたようなシフトはしちゃいけません。スッスッと上品に。そうすると、クルマとの関係が上手くいく。

 ペダル関係全般に、147はたとえばの話愛しい誰かさんの裸体を鳥の羽根かなんかでスーッと優しく愛撫するような感じで扱うと運転がキレイにキマる。ある意味焦らしプレイ(笑)かもしれない。エンジンマウントあたりもどうやらけっこうソフトみたいで、ギコギコ角の立ったような運転とは必ずしも相性がよくない。ま、角の立ったような運転はどんなクルマでもNGなんだけど。原則として。

 そのへん、ほかのMT車から乗り換えたら最初はちょっと、あるいは人によってはかなり、とまどうかもしれない。鳥の羽根で愛しいサムバディの裸体をスーッとやったことのない人は、だったらたとえばバスの運転手の運転を思い出したりするといいかもしれない。もちろん、上手い人の。急がず、鷹揚に。でもタイミングは外さずに。大丈夫。すぐ慣れるから。で、慣れるとすげえ気持ちEですから。



時速10km/hで感じるドライビングプレジャー

 あとやっぱ、エンジンですね。驚いたのは。静かさ滑らかさもさることながら、スゴいのはその低速のドライバビリティ。簡単にいって、同じような普通の5MT車とくらべて常にいっこ上のギアが使えちゃう感じ。信号の四つ角曲がるときとか大通りから狭い路地へ進入するときとか、普通だったら駆動系からゴゴゴゴッと振動が出るはずなのに全然出ない。羽根でスーッと系の優しいアクセラレーションをしてあげれば(ある意味それは自然とそうなる)トルクがフワーッと(ビヤッと、ではないところが重要)膨らんで、ナニゴトもなかったように滑らかに加速していく。

 電子制御スロットルのチューニング(真に上手な運転を数値化しないといけないんで実はけっこう難物らしい)の上手さってのもあるんだろうけど、このへんはホントにスゴいと思った。だからヘンな話、時速10km/hぐらいでめちゃくちゃ濃厚なドライビングプレジャーがあるわけですよ。濃厚なプレジャーがありつつ、また一方で低回転高ギアでのドライバビリティをいかに上げるかってのは燃費をかせぐうえできわめて大事なことだったりもする。要するに、マジメなの。すごく。

 でその燃費は、どこにメモしたか忘れちゃったんでアレなんだけどエアコンONで渋滞ズルズルでも同じくハイウェイかっトバしでもあまり変わらず10km/?強という感じだった。いわゆる満タン法で給油回数も少ないんで誤差は相当あると思うけど。あと、距離計の誤差(笑)も補正ずみじゃないし。

 これはまあ、陰日向のない特性とでもいいましょうか。というのは、熱的にエンジンがラクなときは薄〜くガソリン吹いといてツラくなったらドバッと濃くしていわゆる燃料冷却(それ前提にひ弱なエンジンでも商品化できてコストダウンでオイシイ)、ということをやっていないんだと思う。たぶんアルファは。「たとえ低速だろうと、十分なトルクを得るためにはそれなりの空燃費を設定する必要がある」っていう感じかね。やっぱマジメ。


ゴルフ級ハッチバックの白眉だ、これは。

 ちなみに、ホントにしっかりパワーというかトルクを出そうと思ったらいわゆるストイキ=理論空燃費、つまり吸入空気対ガソリンの質量比が14.7対1よりはちょっとガソリン濃いめが現実にはベストらしい。と、これはスバルのエンジン屋さんに教えてもらったことですが。さらにご参考までに、全16戦中15勝もしたとき(1988年)のホンダのF1用ターボエンジンはマジでストイキで燃料吹いてたそうです。これはホンダのエンジン屋さんから聞いた話だけど。ただし、そのときの燃料は正確にはガソリンと呼べるようなシロモノではなかったんだけどね。たしか、純トルエンかなんかで。やべえなあ。

 マそういうわけで、147TSの左のMTは非常によーござんした。雑貨店のコマキあたりには「モリさんてなに乗っても“よかったよ”しかいわないじゃないですか」ってまるで安いAV女優みたいな扱いでバカにされてるけど、それは私がダメなクルマのことをどう書いてるか知らないからだよアンタ。とにかく、いまゴルフ級ハッチバックでどれか1台となったらこれでキマリ。一家に1台の実用車、としての性能もオッケーだし。

 あと後日談として、これ返したあとに自分ちのメガーヌ乗ったらビックリ仰天。乗り心地がトラックみたいだったのもさることながら、インターフェイスの特性がまるで違うんでしばらく、具体的には走り出して10分間ぐらいはキレイにギアシフトすることもできなかった。自分のクルマなのに(笑)。仕事がらいろんなクルマに乗ってるけど、ああいう体験はちょっとなかったと思う。その意味でも、147TSの左のMTはオススメですね。



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