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第1回 乗ってる人が羨ましい!? Alfa Romeo 156


【森 慶太】
1966年静岡県生まれ。
筑波大卒。
自動車雑誌編集部を経て96年からフリーランスに。
著書に、「乗れるクルマ、乗ってはいけないクルマ」(三笠書房) 「『中古車選び』これだけは知っておけ!」(三笠書房) 「買って得するクルマ損するクルマ―新車購入全371台徹底ガイド」 (講談社)他多数。最近、子供も生まれ、家も建て、ますます精力的に世界中を飛び回っている。


 22歳で免許を取り、自動車雑誌『NAVI』に入社したときにはバリバリの若葉マーク。
廃車寸前の86レビンで夜毎筑波パープルラインに通い、みるみる運転の腕前を上げていった若き日の森慶太は、それから10余年、今や気鋭の自動車ジャーナリスト。
明快な論点、みずみずしい視点、の森慶太が駆る。イタリア車ははたしてどうなのか。


ウソは書かないモリケータ

 オータ店長いわく、「別にイタリア車限定じゃなくても全然イイから雑誌に書いてないホントのこと書いてよ」。
 つったらまるで、私が雑誌にウソ書いてるみたいじゃないですか。そういえばこないだ、アウディA6の2.7Tクワトロべたホメで書いた記事は「あれ、ホント?」ってきかれたなあ。ホントによかったからそう書いたのに。
「で、最初の話題はとりあえず156 でやって」
 それ、モロど真ん中のイタ車じゃないすか。
「あと、締め切りは絶対守ってね。ウチ、このホームページ関係で入稿一度も遅れたことないから。そこだけはちゃんとしてね」 すでに破っていたりして。オータさんて、昔っから(NAVIでいっしょだった)入稿スケジュールはキッチリしてたなあ。隣でオレがウンウンいってんのに「じゃっ」って帰って。
たしかに、隣にいてくれたからって仕事が進むワケじゃ別にないからアレなわけだけど。 タバコはいっぱいもらったけど( それから吸うようになった) 。で、オータさんは帰る前に必ず“トントンッ”てやる。使い終わった資料だかプリントアウトした原稿だかの束の耳揃える音。 ああ懐かしー。


自動車ライターはAV男優!!

 さて156 。156 は、個体でいうとのべ6 台乗ったことがある。 日本導入当初の試乗会でツインスパークの右の5MT とV6の右の6MT 。そのあとV6の右の4AT 。さらにTS左セレスピードとTS右5MT を同時に。で、いちばん最近はV6の右の4AT 。以上、すべてフィアット・オート・ジャパンのいわゆる広報車。

 要するに、私モリケータは一般の156 ファンの皆さんから見てかなりウラヤマしい恵まれた体験をしている。ただし逆に、そんだけ乗り込んだワタシにしてみれば1 台でもいいから156 を自分のモノとして持ってる人が非常に羨ましい。キレーなカノジョなりカレシなりと一緒に乗ってるとこなんて見かけると、思わず追っ掛けてって「コんノヤロー!」とかいってやりたくもなる。ホントだよもー。

 こっちが暗い気分紛らわそうと思ってオータさんからかいに来てんのに、オマーら楽しそうにショッピングしてんじゃねえ。アいや。

 いってみれば、自動車試乗ライターとはAV男優みたいなモノかもしれない。タダで借りたクルマと好きなだけヤレてそのこと書けばおカネまでもらえるけれど、でも時間がきたらどんなに愛しちゃってもハイご返却。しかも残念なことにというか悔しいことにというか、私の場合はドライバーとして決して絶倫ではない。気に入ったクルマを次から次へと買い換えたり囲い込んだりするだけの財力もない。……いや、それはいいとして。



ウットリ、そしてビックリ

写真上段がシャコタン サス。下段のノーマルサスとの違いは約指1.5本分位?
ちなみに両タイプともタイアは同サイズ。

 各種156 を体験したうちで特にものすごく強く印象に残っていて思い出すたびウットリしちゃうのは、大まかにいって以下の数点。

 まず、TSの左のセレスピードで体験したノーマルサスの素晴らしさ。これがイチバン。 簡単にいって、「アルファのアシってこういうもんなわけね」ということが乗ったその瞬間からめちゃめちゃよくわかる。普段の快適さはけっこう夢のようで、ハイウェイなり峠なりをトバしてみてもトゲトゲしさ一切なしに華麗なアシさばき。日本仕様でいうと、ほかにV6の左のQ システムがノーマルサスだ。

 エンジンそのものは、どっちもかなり絶品。TSは、最近だとプジョー306 のS16 に載ってるヤツとかルノー・クリオRSに載ってるヤツとか強烈なのが出てきているけど依然として4 気筒ガソリンでは世界のワン・オブ・ザ・ベスト。またV6は、味わい深さにかけてはV6界で文句なし世界一。いかにも精度が高そうという点ではアウディのV6はスゴいが、乗ってて思わず泣けてくるのはアルファV6だけだ。 音楽なんて聴きたくならないから。ホントに。

 でまた、そのV6は6 段MTとセットで乗るともっと泣ける。実は4000rpm 以下がかなりハッキリと細くて、そのアラが4 段AT=Q システムだとけっこうモロに出てしまう。それなり回して使うと。ところが、6 段MTは段数といいギア比の設定といいまさにドンピシャで絶品V6の美味しいところだけを使って走れる。下手すると、ドライバーは下が細いなんて気づきもしない。エンジンの性感帯を知り尽くしている。たまらん。まだ現役か知らないが、AV女優の「やっぱタカさんは違うわ」はこういうピッタリ感をいっていたのか。

 一方、TSは車体側とのバランスの絶妙さが実にこたえられない。TSと較べると、「あ、V6ってハナ重いのね」とわかる。ここでも、オススメは基本的にMT。話題のセレスピードは、峠やサーキットで本格的にタイムを詰めるような走りをするとき以外特にウマ味がない。普段はそれこそ、普通のMTを何の苦労もナシにスムーズに運転できる人が普通のMTに乗るとき以上にワザ(自動クラッチが切れるタイミングを見計らってスロットルを抜き気味にする等々)を駆使してやらないと普通のMT並みのスムーズさで走らすことはできない。

 アザワイズそうでないと、同乗者から「このヒト運転ヘタ?」と思われてしまう。で、それは好んでわざわざアルファに乗るような種類の人間にとってこのうえもなくハジなことですよ。隣や後ろの彼ないし彼女はセレスピードのアレコレなんて知らないだろうし。 かといって、いくらなんでも高速道路と山道ばっか走るわけにもいかないし。

 ただし、セレスピードはシフトダウンをやらせると超絶にウットリできる。あの、スロットルの合いの手の入れかたのウマいこと!ギアやクラッチの離し繋ぎのウんマいこと!モリケータが1000回トライしても、あれほど上手にやれることはたぶん1 回もない。 オタクな話としては、電子制御スロットルのチューニングの上手さというのも重要だ。さすが、イタリア人はクルマの走らせかたをわかってる。プントのCVT あたりも最高だし。

サイドステップ無しの本国仕様。 ヤワラカな「くびれ」です。
 

なお、日本仕様だとTS左セレスピードとV6左AT以外は全部それになるシャコタンサスはウットリというよりビックリ。山道でトバすと、まるで海ヘビのように曲がる。FF車に乗って「お願いだからもっとアンダーになって」と心の中で泣きながら祈り続けたのは156 のシャコタンサスが初めてにして今のところ唯一だ(生産公差の問題だったのか二代目FFジェミニの“安全運転速度でドリフトしますよ”リアサスもコワかったけど) 。スポーティをカルく通り越して、これはなんかヤバいクスリでも打ってんじゃないかってぐらいにキレていた。広報車の場合でいうと、1万kmいかないうちにボディがグズグズになっていた。それもナンかヤクっぽい。

 そういうワケだから、シャコタンサスの仕様しか乗ったことない人はそれが普通だとは思わないように。慣れてしまったアナタは、すでに相当戻れないとこまできてしまっています。進行度チェックのために、どうにかしてノーマルサスの156 も乗っておきましょう。 ショートホープのあとにタール1mg タバコを吸ったときのような虚無感におそわれた場合、あるいはビールのあとにタカラ・バービカンを飲んだときのような虚無感におそわれた場合、それは危険信号です。



究極の156とは?
とてもレアなウッド内装。
もちろん正規ディーラー車。日本に数台、存在するらしい。

 

 乗って「エエわァ」なアルファ156 の究極というモノを想像すると、ワタシの場合それは2.0TS の左ハンのMTのノーマルサス。正規モノにはないし、また並行屋さんもたぶん入れない仕様である。ボア×ストロークの数値見るとエンジンは1.8 のがイイかなぁとも思うが、それはもっと入ってこない。 アルファにしてみれば、ただでさえ大人気の156のしかも本国売れセン引っ張りダコ仕様をナニが悲しゅうて極東の島国までエッチラオッチラ船でもってって売らにゃイカンのよということもあるかもしれない。

 もっともだと思う一方で、俺らをナメんなよという気持ちにもなる。166 だって、2.0ツインスパークの5MT(しかない) はド絶品らしいし。それと、147 はMTも入れろよなーもー。あとビーエムのオートマとか。プジョー206 のハンドル位置とか( 右終わってる) 。あとVWヴァナゴンとか( 日本仕様絶版) 。

 アルファにかぎらず、日本にいたら好ましいガイシャもホントにいい状態では買えないってことなのかいな。もっといっちゃうと、我らが日本車もたとえばヨーロッパ仕様はアチコチけっこう別モンですよ。コストダウン重視の手抜きスペシャルじゃさすがにアッチの競合車種と勝負にならないってんでしっかりやってある。こないだドイツでマーチのレンタカー乗ったときも、あまりの違いに絶句した。最初マーチが出てきたときは心底ガッカリしたけど、あれは乗っといてよかった。

 

本国仕様。 なんとクラッチペダルは強化プラスティック製。
 なんてゴタクを並べているのはダメなヤツ。どうしてもほしけりゃ一念発起自分で入れるか、さもなきゃ普通に買えるヤツをオトコらしく買って乗る。多少の不満やチグハグ感はあっても、基本的には素晴らしいクルマじゃないですか。 木をみて森をみず、はイカン。
やっぱワタシ、156 乗ってる人らが羨ましい。




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